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2017-06-05

子どもを塾にやる費用を稼ぐ

裁縫の先生を囲んで、みんな真剣なまなざし。
何日かかけてミシンをカタカタ・・・ステッチをチクチク・・・
縫い上げたものを品質チェック中なのです。
さぁ、今回は買い取ってもらえるでしょうか。

稼ぎたいけれども仕事がない女性たちに、ミシンなどの機材や、布地、デザインを提供し、縫ったものを買い取ってコロンボなど都市部で販売する。そんなプロジェクトをスリランカ北部地域で展開しているのは日本のNGO、パルシックです。
裁縫の先生とパルシックのスタッフが、いくつかの村を巡回して製品チェックと裁縫指導される日に、ご厚意で見学させていただきました。
この日のランチの様子はこちら


ここ、ムライティブ県コクトルワイ村は内戦の影響を大きく受けました。
住み慣れた土地を軍用地として接収されるなど、離れざるを得なかった人たちが多かったそうです。

内戦終結は2009年。最後の激戦地となった場所も、さほど遠くありません。人々が戻って暮らし始めるのには、それからさらに時間がかかりました。ほんの数年前からのことです。

この日のもうひとつの訪問先コクライ村にて。
  

ちなみに、裁縫の収入でどんなことをしたいのか伺ったところ、30代の女性はお子さんを塾にやる費用に、と。さすが教育熱心なスリランカ。

家も作りかけ、村も再建しかけのような境遇の中でも、いやむしろ、そんな中だからこそ、教育は希望。
いつ終わるとも知れなかった内戦のさなかにも、学び続けることこそが心の支えとなる一筋の光なのだと思い知らされたことがあります。

20代の女性は裁縫の収入でネックレスを買うとのこと。
あぁ、結婚資金の準備だろうなと思って聞き返すと、やはりそうでした。結納に24金のアクセサリーを用意する習慣があるから。本当なら親兄弟が用意するところでしょうけれど、ご自分で頑張っているんですね。
日本と習慣が違うから事の重さが伝わりにくいかもしれませんが、進学と同様、人生の真剣な問題です。

「人びとが20年に及ぶ避難から戻り始めたばかりで、トタン板と椰子の葉で作った小さな家々が草むらの中に点在している状態」の頃から、この村の暮らしを見つめてきた日本人女性がいます。

ぜひ、下のリンクをクリックして読んでいただけたらうれしいです。

特定非営利活動法人パルシック
駐在員の伊藤文さんによる現地レポート
「サリーリサイクル事業 ムライティブの新しい女性グループ」

子どもたちが塾で学ぶ様子をこちらの記事の写真で見ることができます。ものすごく貴重な現地レポートです。
「ムライティブ日誌#8 子ども向けの課外授業を開始しました」
「コクライ村のコミュニティセンターで奨学金試験に向けて集中講座を開講中」

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